副鼻腔炎に対する抗生物質を用いた耳鼻科の治療

副鼻腔炎の基本知識

副鼻腔炎は、鼻の周囲にある副鼻腔の粘膜に、細菌やウイルスが感染することなどで炎症が起こる病気です。
鼻水や鼻づまりなど様々な症状が現れますし、副鼻腔に膿が蓄積するので蓄膿症とも呼ばれます。
発症する最大の原因は、かぜやアレルギー性鼻炎などで鼻がつまると、鼻の中の換気が悪くなり副鼻腔の感染が外に出ることができなくことです。
例えば、窓やドアを締め切った浴室にカビやバイキンが繁殖してしまうのと同じで、出口が塞がって閉鎖空間に副鼻腔がなるとバイキンやカビが繁殖してしまいます。
主な症状は、鼻の中や後ろに黄色くてネバネバした鼻水や膿がたくさんたまるもので、臭い痰が喉の奥にくっついたり、頬・おでこ・後頭部・目の奥が痛くなったりすることもあるのです。
また、こうした症状をそのまま放置していると、さらに鼻の粘膜が腫れてポリープができてしまいます。

耳鼻科での治療

耳鼻科では、初期や急性期の副鼻腔炎に対しては、抗生物質を服用することで副鼻腔の中のバイキンを退治する処置が行われるのです。
また、それと共に副鼻腔の換気をすると劇的に改善するため、薬や綿棒を用いて鼻の粘膜を収縮させて鼻と副鼻腔の通路を広げます。
ただ適切な抗生物質を使用しないとうまく治らずに慢性化することがあるので、まずは殺菌目的の抗生物質を1〜2週間服用して、4〜7日間隔で評価し効果が思わしくない時は薬を変えるのです。
しかし、慢性副鼻腔炎と判断された時には、特殊な抗生物質のマクロライド剤を2〜8週間程度使用するマクロライド少量長期療法という治療法を行います。
この際に使用するマクロライド系の抗生剤は、副鼻腔炎に対する免疫・細胞機能の修飾作用が目的で、通常量より控えた量を長めに投与することになります。
ただし、この治療法は漫然と長期にわたって抗生剤を使用しているのとは違うのです。
副鼻腔炎を放置していると、先にも触れましたが鼻の中に鼻茸や鼻ポリープができて、鼻をかんでも鼻の中に何かがあって、いつもつまっている感じになってしまいます。
こうした状態になると薬や耳鼻科処置を行っても治らなくなっている可能性があるため、治療としては手術が選択されるのです。
重症で炎症が深い部分まで進行している場合には、病院に入院して全身麻酔下による手術を行うことになります。
中等度で鼻の中の症状が中心の場合は、局所麻酔による日帰り手術を行うこともあって、一口に手術といっても大きな手術と小さな手術があるのです。