耳鼻科ではファイバースコープを用いて副鼻腔炎を診断?

どのように診断するのか?

鼻の周辺にある空洞のこと副鼻腔といって、両頬の内側の上顎洞、眉間の内側、両眼の上側など、鼻と両目を取り囲むように大小の空洞があるのです。

この副鼻腔の中で炎症が起きてウミや粘膜が溜まる病気が副鼻腔炎で、慢性化した場合には蓄膿症と俗称で呼ばれます。

主な症状は頭痛や鼻づまりで、黄色や緑の鼻汁、嗅覚障害、集中力の欠如などといった症状もみられるのです。

昔は栄養不足や不衛生による感染が副鼻腔炎の原因でしたが、食生活の質や衛生面が改善されたことで全体として症状は軽くなってきています。

しかし、近年はアレルギーと関連がある副鼻腔炎が増加傾向にあって、アレルギー治療が同時に必要となるケースがあるのです。

副鼻腔炎はどのように診断されるのかというと、耳鼻科などで頭部のレントゲンを撮る方法が一般的となっています。

通常レントゲンを撮影すると、副鼻腔の空洞は空気が入っているので黒く写りますし、骨のある部分については白く写るのです。

その為、正常の副鼻腔なら黒く写るはずですが、副鼻腔炎になって粘膜が腫れたり、ウミが溜まったりしていると、レントゲンを撮った副鼻腔は白く写るので診断てきます。

またファイバースコープ(内視鏡)で直接鼻の中を覗いて、副鼻腔へとつながる交通路の部分を確認して、副鼻腔炎かどうかを判定する場合もあるのです。

それから、副鼻腔炎が慢性化して治りにくいケースや、紛らわしい他の病気を鑑別する必要がある場合には、レントゲン検査、ファイバースコープ検査にプラスして、CTやMRI検査をする耳鼻科もあります。

どのように治療するのか?

副鼻腔炎の治療法ですが、急性については炎症を起こす副鼻腔内の菌を退治する目的で、抗生剤を主体に治療をして慢性化しないように治療するのです。

一方慢性副鼻腔炎については、長期にわたってマクロライド系の抗生剤を少量ずつ服用する治療法がまず選択されます。

このように、薬と通院による処置で約70~80%程度の慢性副鼻腔炎は、手術をしなくても治癒できるようになっているのです。

また手術自体も進歩していて、現在ではファイバースコープを使用して変性した部分のみを除去する患者の体に負担の少ないものになっています。

それから、症状によっては1泊入院での手術で済むケースもあるのです。

耳鼻科などではこのような治療法を行っていますが、治療法を決定する際には症状を考えた上で、患者の仕事や年齢などライフスタイルを考慮しながら判断します。